都市空間計画区域

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今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:44:08

◆◇◆其の一:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

この地球、この日本に、人類と言う者が誕生してから、後世への伝達方法が進化するにつれ、数々の偉人や賢人が歴史を刻んできた事を知ることができる。

確かに史実とは違う誇張(こちょう)や脚色も加わっていると思うが、それは過去の話しとして割り切って向き合うしかない。

自分に置き換えても解るが、1週間前の出来事の記憶も曖昧(あいまい)なのに、百年千年も昔の事を正確で確実に記述して残している方に無理がある。

それこそ現代人の役目は、歴史の出来事を如何(いか)にして、想像力を膨らませる事ができるのかだと思う。

そんな歴史の糸口を手繰(たぐ)ると、多くの歴史人(れきしびと)と出逢う事ができる。

そんな愛すべき歴史人(れきしびと)を紹介していこう。

今回は誰もが知る日本で一番に有名なお坊さんの一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)である。

♪好き好き好き好き好き〜好き 愛してるぅ〜

♪好き好き好き好き好き〜好き 一休さぁ〜ん

可愛い小坊主の一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)ではあるが、本当にアニメの様な人物像だったのか?

一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、室町時代初期の1394年に京都で誕生した。

父上は北朝の第100代天皇かつ北朝6代天皇の後小松天皇(ごこまつてんのう/北朝)で、母上は河内国(大阪府)の武将の楠木正成(くすのきまさしげ/朝廷)の系統である伊予局(いよのつぼね/南朝)と言われる。

室町幕府の征夷大将軍3代目の足利義満(あしかがよしみつ/室町)の仲裁により、北朝と南朝が1392年に締結した「明徳の和約」(めいとくのわやく)により、1337年から55年近く続いた南北朝時代が終結した直後の誕生である。

いくら南北朝統一を果たしたからと言っても、朝廷にはまだまだ隔たりががあった筈(はず)の為に、どの様にして北朝の後小松天皇(ごこまつてんのう/北朝)と南朝の伊予局(いよのつぼね/南朝)が出逢ったのかは解らないが、もしかしたら南北朝統一記念パーティーでお互い愛のフィーリングで引き付け合い、一夜の恋が芽生えたのかも知れない。

そんな複雑な事情の為に一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、父上の後小松天皇(ごこまつてんのう/北朝)に息子として認知されない落胤(らくいん)となる。

ROB ZOMBIE /♪ THE TRIUMPH OF KING FREAK (A CRYPT OF PRESERVATION AND SUPERSTITION)

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Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:45:14

◆◇◆其の二:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)の幼少期の名前は千菊丸(せんぎくまる)である。

そんな複雑な誕生により千菊丸(せんぎくまる)は1399年の5歳の頃に、母上の伊予局(いよのつぼね/南朝)と別れてお寺に預けられる事になる。

今で言えば小学1年生の可愛い盛りで母子が別離しなければならず、平和ボケした現代感覚からしても胸が締め付けられる。

一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)が出家したお寺は、京都にあった安国寺(あんこくじ/臨済宗)で現在は廃寺となっているが、ただ、アニメのモデルとなった安国寺(あんこくじ/臨済宗)は京都府綾部市に現存しており、実は征夷大将軍1代目の足利尊氏(あしかがたかうじ/鎌倉→室町)が建立(こんりゅう)した足利将軍家の所縁(ゆかり)の寺院である。

臨済宗(りんざいしゅう)の安国寺(あんこくじ/臨済宗)の住職は像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)が就いており、このお方がアニメの外観和尚(がいかんおしょう)のモデルである。

一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)が安国寺(あんこくじ/臨済宗)に出家した時に持参したのが、母上の伊予局(いよのつぼね/南朝)が作ってくれた“てるてる坊主”である。

名前も一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)ではなく周建(しゅうけん)と名乗るが、以後は解り易い様に一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)で統一する。

北朝と南朝の血筋が入る一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)を一番に警戒したのが、室町幕府の征夷大将軍3代目の足利義満(あしかがよしみつ/室町)である。

時代背景からも皇族の一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)を担ぎ上げて、室町幕府に対して謀反(むほん)を起こす勢力が現れても不思議ではない。

この事から足利義満(あしかがよしみつ/室町)は、奉行人の蜷川新右衛門(にながわしんうえもん/室町)こと蜷川親当(にながわちかまさ/室町)を監視役に就けていた。

単なる子供向けアニメと思いきや、きちんと歴史的背景を織り込んでいた事に驚く。

実際に一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)と親交のあった武士の蜷川親当(にながわちかまさ/室町)は実在しており、ただ、蜷川親当(にながわちかまさ/室町)は一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)より50歳余り年下なので孫とお爺ちゃんの関係である。

DAVID LEE ROTH /♪ YANKEE ROSE

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:46:18

◆◇◆其の三:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

京都の安国寺(あんこくじ/臨済宗)にて、外観和尚(がいかんおしょう)こと像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)の元で僧侶のイロハを教えられた一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、仏道以外にも読み書き算盤に励(はげ)み英俊豪傑(えいしゅんごうけつ)な僧侶としての頭角(とうかく)を現していく。

ある日、狸(タヌキ)の毛皮で出来た上着を着た商人の久兵衛(きゅうべえ)さんが、像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)の元へ毎日の様に囲碁を打ちに安国寺(あんこくじ/臨済宗)に訪れていた。

これには一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)をはじめお寺の小坊主達は困惑しており、お茶やお菓子を出したり、時には晩御飯や晩酌の準備もさせられた。

そこで一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)はトンチ名人を活かして一計を案じる。

安国寺(あんこくじ/臨済宗)の山門に、誰もが見える様に貼り紙を貼った。

⦅皮を着(つ)けた者はお寺に入るべからず! 入ればバチ(罰)が当たるべし! 安国寺僧侶一同より⦆

何も知らずに今日もやって来た狸(タヌキ)の毛皮で出来た上着を着た久兵衛(きゅうべえ)さんは、早速に山門の貼り紙に気付く。

久兵衛…『なになに? 皮を着(つ)けた者はお寺に入るべからずだとぉ!? ははぁ〜ん、これは一休さんの悪戯(イタズラ)だなぁ! よしぃ、それならこのまま毛皮の服を着て堂々とお寺に入るとするか。』

狸(タヌキ)の毛皮で出来た上着を着た久兵衛(きゅうべえ)さんは、安国寺(あんこくじ/臨済宗)の境内に立ち入った。

一休さん…『そこの者、待たれよぉ!』

久兵衛…『おやぁ、一休さんではないか? どうなされた?』

一休さん…『どうもこうもないですぞぉ! 山門の貼り紙をちゃんと見ましたか?』

久兵衛…『ハイハイ、ちゃんと見て読みましたよぉ。』

一休さん…『お寺とは仏様を安置する安らかな場所であります。 動物を殺生(せっしょう)した毛皮を着た者が立ち入ると、御堂(おどう)が穢(けが)れるので立ち去って下さい。』

久兵衛…『ほぉ、動物の皮が穢(けが)れの対象なら、御堂(おどう)に設置してある太鼓も穢(けが)れの対象ですぞぉ!』

一休さん…『ほぉ、久兵衛さんは太鼓と同じで御座るなぁ!』

久兵衛…『如何(いか)にも、毛皮を着たわしぃは、皮を張った太鼓と同じで御座るよ。 イッヒヒヒィ〜』

一休さん…『では、御堂(おどう)の太鼓はバチ(罰)が当たり、毎日の様にバチで叩かれております。 ですからお寺に立ち入った毛皮を着た久兵衛さんもバチ(罰)が当たり、太鼓の様にバチで叩かせてもらいます。』

そう言って一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、狸(タヌキ)の毛皮で出来た上着を着た久兵衛(きゅうべえ)さんを太鼓のバチで何度も何度も叩き続けた。

バシィ バシィ バシィ バシィ

久兵衛…『ギャ〜〜 助けて〜 痛いよぉ〜 ウッウウ〜』

ガクッ

後日、安国寺(あんこくじ/臨済宗)に慌てた様子の蜷川親当(にながわちかまさ/室町)が駆け足でやって来た。

蜷川親当…『一休さ〜ん、一大事(いちだいじ)で御座るよぉ〜!』

一休さん…『どうしました、親当さん?』

蜷川親当…『どうしたも、こうしたもないで御座るよぉ! 商人の久兵衛(きゅうべえ)さんが、村はずれの雑木林で撲殺(ぼくさつ)されて発見されたで御座るよぉ。』

一休さん…『慌(あわ)てない、慌(あわ)てない、一休み、一休み。』

PUDDLE OF MUDD /♪ LIVIN' ON BORROWED TIME

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:47:20

◆◇◆其の四:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

村はずれの雑木林で撲殺(ぼくさつ)されて発見された商人の久兵衛(きゅうべえ)さんの葬儀が、残された家族により静かに営まれる。

その葬儀の経読(きょうよみ)の為に遺族に招かれた像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)と、付き人として一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)と陳念(ちんねん)が付いてきた。

商売人だけあって大きなお屋敷の前には川が流れており、屋敷に行く専用の橋を渡らないと中には入れない構造だった。

その橋の袂(たもと)には、誰もが見える様に立て札が掲げられていた。

⦅このはし、渡るべからず!⦆

あの世から久兵衛(きゅうべえ)さんが、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)に対しての仕返しである。

久兵衛(故人)…『さあ、どうする一休さん!』

像外集鑑…『う〜〜ん、困ったなぁ〜 この橋を渡らなければ、久兵衛さんの屋敷には行けないぞぉ。』

一休さん…『大丈夫ですよぉ、和尚さん。 陳念殿よ、お手数ですが、橋の下に行って川を泳いで渡ってはくれぬかぁ?』

陳念…『ええっ!? 僕が泳いで向こう岸まで渡るのかい?』

一休さん…『ああっ、向こう岸に上陸したら、久兵衛さんの遺族を呼んできて、この立て札の真相を聞くんだよ。』

像外集鑑…『なるほど一休! それならば、わしぃらが久兵衛さんのお葬式に参った事は、遺族にも伝わるなぁ。』

陳念…『仕方ないなぁ〜 では、泳いで遺族を呼んでくるか。』

そう言って陳念(ちんねん)は橋の下に降りて、川に入り泳ぎ出した。

ところが、昨晩からの豪雨で川の水量が増しており、泳ぐ間もなく陳念(ちんねん)は濁流(だくりゅう)に飲み込まれて流されていった。

ザブ〜ンザブ〜ン ザブ〜ンザブ〜ン

陳念…『ウワァ〜 和尚さ〜ん アップアップ 一休さ〜ん 助けてぇ〜〜』

ザブ〜ンザブ〜ン ザブ〜ンザブ〜ン

像外集鑑…『おおっ〜 陳念よぉ〜 何て罪深い命令をしてしまったのかぁ!』

一休さん…『あ〜あっ、やっぱり流されていったかぁ! 陳念殿よ、迷わず成仏してくれよぉ! あっ〜 あっ〜 南無三(なむさん)だぁ〜』

後日、安国寺(あんこくじ/臨済宗)に慌てた様子の蜷川親当(にながわちかまさ/室町)が駆け足でやって来た。

蜷川親当…『一休さ〜ん、一大事(いちだいじ)で御座るよぉ〜!』

一休さん…『どうしました、親当さん?』

蜷川親当…『どうしたも、こうしたもないで御座るよぉ! 昨日、川下(かわしも)で溺死(できし)した僧侶らしき子供が発見されたのだが、何とそれが安国寺の陳念殿で御座るよぉ!』

一休さん…『慌(あわ)てない、慌(あわ)てない、一休み、一休み。』

LYELL /♪ CRUEL

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:48:21

◆◇◆其の五:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

京都の古刹(こさつ)と呼ばれる安国寺(あんこくじ/臨済宗)の御堂(おどう)にて、1人で座禅を組んで悟道(ごどう)を想い巡らす座禅工夫(ざぜんくふう)に取り組む一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)。

そこに像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)が法事(ほうじ)から帰ってきた。

像外集鑑…『ほお、一休は座禅を組んで仏様と対話をなさっておるのか? 感心じゃのぉ〜』

一休さん…『あっ、和尚様、座禅に夢中で気付きませんで、失礼致しました。』

像外集鑑…『いやいや、わしぃなんぞより仏様との交友を深める方が先決であるぞぉ。 でっ、仏様とはどんな会話をなさったのじゃ?』

一休さん…『はい、この世の人は必ず死を迎えるのか、それとも永命できるのかの生死是如何(しょうじこれいかん)を、御釈迦様(仏陀)に問うて御座いました。』

像外集鑑…『何とぉ!? その年齢で生死是如何(しょうじこれいかん)まで達したか!? でっ、御釈迦様(仏陀)は何て答えてくれたのじゃ?』

一休さん…『はい、御釈迦様(仏陀)には、生命は必ず滅び無くなる是生滅法(ぜしょうめっぽう)を教えて頂きました。』

像外集鑑…『ほぉほぉ、是生滅法(ぜしょうめっぽう)かぁ! 一休は益々(ますます)に崇高(すうこう)な僧侶としての輝きが見えるのぉ。』

一休さん…『もう1つ、御釈迦様(仏陀)に問うたのは、この世の物は必ず破壊するのか、それとも永続できるのかの生滅是如何(しょうめつこれいかん)で御座います。』

像外集鑑…『命の次ぎは物かぁ? でっ、御釈迦様(仏陀)は何て答えてくれたのじゃ?』

一休さん…『はい、大宇宙の真理は時期到来(じきとうらい)と言い、その時が来たら必ず消滅すると教えて頂きました。 ですからこの世で物事に執着する者は、必ずや極楽浄土(ごくらくじょうど)、即(すなわ)ち黄泉の国(よみのくに/天国)に迎え入れる事は無いと仰(おっしゃ)っていました。』

像外集鑑…『う〜〜ん、人間は欲望の境地だからのぉ〜 大半の人間は成仏できないと言う事か!』

一休さん…『はい、特にこの地球上で、不動産や高級品など金銭価値の高い財産を残そうとする者は、大宇宙の真理に反するとして、確実に地獄(じごく/下界)へ落とすと御釈迦様(仏陀)は仰(おっしゃ)っております。』

像外集鑑…『何と高価財産を残す事もかぁ!? わしぃの茶碗や掛け軸など芸術品の収集も問題だのぉ〜! この年でもまだまだ煩悩(ぼんのう)だらけじゃ、修行が足らんのぉ〜』

一休さん…『いやいや和尚様、何事にも程々(ほどほど)が丁度良いで御座いますよぉ。』

像外集鑑…『こりゃ、弟子の一休に一本取られたわぁい! アハッハハハ〜』

一休さん…『ハッハハハ〜』

カァ〜カァ〜 カァ〜カァ〜

像外集鑑…『おっ、烏(カラス)が鳴いておるから、そろそろ鐘を突く時間じゃぞぉ。』

一休さん…『はい、和尚様』

ゴォ〜〜ン ゴォ〜〜ン

京都の嵯峨野の山々が夕日で赤く染まり、今日も1日が終わろうとしている。

RAM JAM /♪ BLACK BETTY

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:49:27

◆◇◆其の六:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

夜も更けたある日の事。

京都の安国寺(あんこくじ/臨済宗)の1室では、住職の像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)が何やら壺(つぼ)を抱えて嬉しそうにしている。

そして棒を壺(つぼ)の中に入れて、棒に付いた水飴(みずあめ)を美味しそうに食べていた。

像外集鑑…『う〜〜ん、甘ぁ〜い! これ程に美味しい物があるとはぁ、極楽、極楽じゃ〜』

この像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)の夜のお楽しみを、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)など小坊主達は知っていた。

そして、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)達も水飴(みずあめ)をご相伴にあずかる為に、像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)の部屋に突撃した。

一休さん…『和尚様、何を食べているのですか? 僕達にもお裾分けして下さい!』

黙念…『そうだぁ、そうだぁ! 僕達にも食べさせろぉ!』

像外集鑑…『いっ、いやぁ、この水飴(みずあめ)は大人には薬だが、子供が食べると毒になるのじゃ。 わしぃはリュウマチが酷(ひど)くて薬の水飴(みずあめ)を食べておるのじゃ。』

一休さん…『本当ですか、和尚様?』

像外集鑑…『ほっ、本当じゃ。』

後日、像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)が1人で外出した時の事だった。

一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は哲斉(てっさい)と黙念(もくねん)と共に、像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)の部屋に忍び込んで壺(つぼ)の水飴(みずあめ)を食べる事にした。

一休さん…『さぁ皆んな、美味しい水飴(みずあめ)を食べましょう!』

哲斉…『いいのか、一休? 壺(つぼ)の水飴(みずあめ)が減っていたら和尚様に叱られるぞ!』

黙念…『大丈夫だよぉ、少しくらい! 食べよぉ、食べよぉ!』

こうして小坊主達は壺(つぼ)の水飴(みずあめ)を食べ始めたが、あまりの美味しいに夢中になって食べ続けて、等々(とうとう)に壺(つぼ)の水飴(みずあめ)が空(から)になってしまった。

哲斉…『あぁ〜あ、壺(つぼ)の水飴(みずあめ)を全部食べちゃったよぉ〜 これで和尚様に叱られるぞ!』

黙念…『一休さぁ〜ん、どうしよぉ〜』

一休さん…『う〜〜ん、水飴(みずあめ)を全部食べちゃったのは仕方ない。 この苦境をどう乗り切るかだぁ!』

像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)の大切な水飴(みずあめ)を全部食べた罪は大きい。

3日間の晩御飯を抜き程度では済まされないぞぉ!

さあ、どうする、トンチ名人の一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)。

TEXAS HIPPIE COALITION /♪ ROCK AIN'T DEAD

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:50:30

◆◇◆其の七:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)の大切な水飴(みずあめ)を全部食べてしまった一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)と哲斉(てっさい)と黙念(もくねん)は困り果てる。

そこで一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)が、像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)の部屋を見渡すと、床の間に立派な茶器が飾ってあった。

この茶器は像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)が征夷大将軍3代目の足利義満(あしかがよしみつ/室町)から頂いた高価な代物(しろもの)の茶器だった。

一休さん…『これだぁ!』

そんな大切な茶器を一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は手に取って、床に叩き付けて割ってしまったのである。

バァリ〜〜ン

哲斉…『おっ、おい、何をするんだぁ! その茶器は和尚様が大切にしている物だぞぉ!』

黙念…『水飴(みずあめ)に続き、茶器まで壊したら、さらに和尚様に叱られるぞ! もうこの世の地獄だぁ〜』

一休さん…『大丈夫、大丈夫! 僕に全て任せてぇ!』

そこに丁度、像外集鑑(ぞうがいぜんかん/僧侶)が帰ってきた。

像外集鑑…『ただいま、皆んな大人しく良い子にしていたか?』

そう言って部屋に入ると、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)と哲斉(てっさい)と黙念(もくねん)は手を合わせて仰向けに寝ている。

像外集鑑…『おっ、おい、どうしたのじゃ!?』

一休さん…『はい、和尚様、実は部屋の掃除をしていた際に、大切な茶器を割ってしまいました。』

像外集鑑…『なっ、なんとぉ!? この茶器は将軍様に頂いた高価な茶器だぞぉ! この茶器1つで軽く家が1軒建つくらいの価値があるんだぞぉ!』

一休さん…『はい、ですから、それ程までの高価な茶器を壊したので、死んでお詫びをしようと思い、子供が食べたら毒になる水飴(みずあめ)を3人で全部食べて逝去(せいきょ)しようとしています。』

像外集鑑…『なぁ、なにぃ〜!? 水飴(みずあめ)までも全部食べたのかぁ〜!?』

一休さん…『ただ、毒になる筈(はず)の水飴(みずあめ)を食べても、未(いま)だに逝去(せいきょ)する事ができません。 和尚様、これは如何(いか)に?』

哲斉…『痛たったたぁ〜 一休さん、なんかお腹が痛くなってきたよぉ。』

黙念…『痛いっ! 僕もお腹がズキズキと痛んできた。』

一休さん…『そう言えば、僕もなんかお腹が痛くなってきたなぁ〜』

そんな時、安国寺(あんこくじ/臨済宗)に慌てた様子の蜷川親当(にながわちかまさ/室町)が駆け足でやって来た。

蜷川親当…『一休さ〜ん、一大事(いちだいじ)で御座るよぉ〜!』

一休さん…『どうしました、親当さん?』

蜷川親当…『どうしたも、こうしたもないで御座るよぉ! 京都で売られていた水飴(みずあめ)が消費期限を偽造して、腐った状態で出荷していたで御座るよぉ! 今、その水飴(みずあめ)を食べた人達が病院に駆け込んで大混乱ですぞぉ。』

一休さん…『ええっ!? 救急車を呼んでぇ〜 今直ぐに救急車を呼んでぇ〜 死ぬぅ〜 死ぬぅ〜 死にとぉなぁ〜い!』

ピィ〜ポォ〜 ピィ〜ポォ〜 ピィ〜ポォ〜 ピィ〜ポォ〜

TRAPT /♪ BULLETPROOF

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:54:02

◆◇◆其の八:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

京都でも一二(いちに)を争う豪商の桔梗屋(ききょうや)の利兵衛(りへい)の1人娘である弥生(やよい)が、ある日、安国寺(あんこくじ/臨済宗)にやって来た。

弥生(やよい)は一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)を呼び出して、雑木林に建つ小屋に連れて行った。

弥生…『さぁ一休さん、早く、早く!』

一休さん…『そんなに急がなくても大丈夫だよぉ。』

それを弥生(やよい)に惚れている小坊主の秀念(しゅうねん)が目撃して、2人の後を追った。

秀念…『ヌググゥ〜 愛しの弥生さんと一休がぁ、悔しいぃ〜!!』

人影の無い雑木林の小屋に入っていった弥生(やよい)と一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)。

その小屋の外では秀念(しゅうねん)が、壁に耳をへばり付けて聞き耳を立てている。

弥生…『ねえ、早く一休さんが握る竿(さお)で、この穴に入れてちょうだい。』

一休さん…『弥生さん、そんなに急(せ)かすと竿(さお)が穴に上手く入らないよ。』

弥生…『う〜〜ん、下手ねぇ〜 もっと玉(たま)を揺さぶって、竿(さお)を一突(ひとつ)きで穴に入れるのよぉ。』

一休さん…『分かったよぉ、竿(さお)をこうして穴に向かって入れるんだね。』

小屋の外では・・・

秀念…『なぁ、なにぃ〜!? 竿(さお)に玉(たま)に穴って、あの2人は何をしているんだぁ!?』

小屋の中では・・・

弥生…『なかなか穴に入らないじゃないの!? 一休さんって初めてじゃないの?』

一休さん…『僕はこんな事、初めてだよぉ〜 弥生さんは経験した事はあるの?』

弥生…『あるわよぉ! 何度も何度もこの穴に竿(さお)を出し入れしたわぁ。 玉(たま)の扱いは御手の物(おてのもの)よぉ!』

一休さん…『凄いなぁ〜 弥生さん! この穴に何度も竿(さお)を出し入れしてるんだぁ〜』

小屋の外では・・・

秀念…『なぁ、なにぃ〜 清純だと思っていた弥生さんがぁ! 僕の一途な想いが崩壊していくぅ〜』

小屋の中では・・・

一休さん…『えいっ! あっ、入ったぁ! 僕の竿(さお)が初めて穴に入ったぁ〜』

弥生…『凄いわぁ〜 一休さぁ〜ん 上手よぉ〜 その調子で連続して出し入れしてちょうだぁ〜い』

一休さん…『よぉ〜しぃ、コツを掴(つか)んだぞぉ! エイッ エイッ エイッ〜』

弥生…『いいわぁ〜 見事な玉(たま)捌(さば)きよぉ〜 もっと突いてぇ、突いてぇ、突いてぇ〜』

居ても立っても居られなくなった秀念(しゅうねん)が、弥生(やよい)と一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)が居る小屋の中に飛び込んだ。

秀念…『ウワァ〜 弥生さ〜ん、何て事をぉ〜!!』

バタァ〜ン

弥生…『あらぁ!? 秀念さんじゃないのぉ?』

一休さん…『秀念さん、血相を変えて、どうしたんですか?』

秀念…『えっ!? あれぇ!? あれれぇ!?』

一休さん…『今、弥生さんに剣玉(けんだま)の訓練を受けているところなんだぁ。 弥生さんの教え方が上手だから、だいぶ竿(さお)が玉(たま)の穴に入る様になったんだぁ。』

弥生…『あらぁ!? 秀念さんの股間辺りの服が、お山の様に膨らんでいるわぁ! まあ、イヤらしい!』

秀念…『何だ剣玉(けんだま)かぁ〜 トホホォ〜』

RASPBERRIES /♪ MAKING IT EASY

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:55:01

◆◇◆其の九:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

こうして青年になった一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、徳の高い僧侶を目指し修行の為に安国寺(あんこくじ/臨済宗)を離れる事となった。

1410年の16歳の頃に、京都の妙心寺(みょうしんじ/臨済宗)や西金寺(さいこんじ/臨済宗)の住職に就いていた謙翁宗為(けんおうそうい/僧侶)に弟子入りする。

お師匠である謙翁宗為(けんおうそうい/僧侶)から仏門や仏道の基礎を学ぶ。

一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)だ属する宗派の臨済宗(りんざいしゅう)とは、達磨大師(だるまだいし)の“禅宗”(ぜんしゅう)を汲(く)む鎌倉時代に浸透した仏教であり、総本山は山城国(京都府)の妙心寺(みょうしんじ)で宗祖は明菴栄西(みょうあんえいさい/臨済宗)である。

謙翁宗為(けんおうそうい/僧侶)の説法により一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)はメキメキと僧侶としての人格を形成していたが、ところがお師匠の謙翁宗為(けんおうそうい/僧侶)が死去してしまう。

一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)の名前の宗純(そうじゅん)は、この謙翁宗為(けんおうそうい/僧侶)が与えた。

仏門の方向性を見失った一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は嘆き悲しみ、近江国(滋賀県)の琵琶湖に身投げして自害する。

一休さん…『お師匠さ〜ま〜 寂しくなったから、会いに逝(い)きま〜す!』

ドボォ〜ン

しかし、琵琶湖の近くを通りががった町人に発見され、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は救助される。

町人…『仏様に仕える坊主のクセに自害するとは不届者やぁ! いったいお寺で何を学んでいるんやぁ!』

一休さん…『はぃ、ご迷惑をお掛けして、済みませんでした・・・』

因(ちな)みに一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は50代の時にも自害未遂を起こしており、生涯で2度も生死を経験している強者(つわもの)である。

お師匠の謙翁宗為(けんおうそうい/僧侶)を失った悲しみから、なんとか立ち直った一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、1415年の21歳の頃に大徳寺(だいとくじ/臨済宗)の住職に就いていた華叟宗曇(かそうそうどん/僧侶)の弟子入りする。

ある時に、古代中国の僧侶による問答に由来(ゆらい)する“洞山三頓の棒”(どうさんさんとんのぼう)の60回ほど痛棒(つうぼう)で叩かれる公案(こうあん)を華叟宗曇(かそうそうどん/僧侶)に問われて、それに対して一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は返答した。

華叟宗曇…『師匠の雲門と弟子の洞山の遣り取りをどう思う。』

一休さん…『有漏路(うろぢ)より、無漏路(むろぢ)へ帰る、一休み。 雨ふらば降れ、風ふかば吹け。』⦅雨に濡れて急いで帰るよりも、雨が止むまでゆっくり一休みしてから帰れば良い。 人の生涯も全く同じで、雨が降っても、風が吹いても、何も急ぐ必要は無い。⦆

華叟宗曇…『うむ、奥深いのぉ! お前は今日から一休(いっきゅう)と名乗れ!』

一休さん…『はい、お師匠様、有難う御座います。』

こうして一休さんと呼ばれる様になる。

AFGHAN WHIGS /♪ ARABIAN HEIGHTS

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:55:56

◆◇◆其の十:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

お師匠である華叟宗曇(かそうそうどん/僧侶)の元で仏道の修行に励(はげ)む一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、琵琶湖に舟を浮かべて、夜通し1人で座禅を組んで瞑想(めいそう)に耽(ふけ)っていた。

そうすると何も見えない暗闇から、烏(カラス)の鳴き声が聞こえてきた。

カァ〜カァ〜 カァ〜カァ〜

一休さん…『こんな夜更けでも烏(カラス)は寝ずに、何処(どこ)へ行くのだろう? うんっ!? ハッ!! これが悟りの境地だぁ!』

急いで舟を漕ぎ上陸して、夜中にも関わらずお師匠である華叟宗曇(かそうそうどん/僧侶)の元に駆け付けた。

一休さん…『お師匠様〜 起きて下さぁ〜い。』

華叟宗曇…『う〜〜ん、どうした一休よぉ、こんな夜更けに?』

一休さん…『お師匠様、聞いて下さい。 私は遂(つい)に悟りの扉を開きました。』

華叟宗曇…『えっ!? こんな夜中に? 悟りをぉ? でっ、どの様にして悟りの扉を開いたのじゃ?』

一休さん…『はい! 暗闇の烏(カラス)です! 私の悟りは烏(カラス)で御座います。』

華叟宗曇…『ええっ!? 暗闇の烏(カラス)? どう言う事なのじゃ?』

一休さん…『何も見えない暗闇で、真っ黒な烏(カラス)がカァ〜カァ〜と鳴きました。 これこそが悟りです。』

華叟宗曇…『うん!? ちょっと意味は解らないが、その悟りを認めるぞぉ!』

一休さん…『有難う御座います。』

一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)の悟りは、100人が聞いて100人が理解不能であろう。

ただ、1億人が聞いて1人くらいは理解できる者が居るかも知れない。

多分であるが、暗闇とは人の生涯であり、そんな先の視えない人生でも、真っ黒な烏(カラス)は目的地に飛ぶ事ができる為に、自分自身は真っ黒で観る事はできないが、時間は止む事なく進むと同時に、人生の方向性さえしっかりと定めれば、生きることに迷う事は無く、目に見える物事ばかりに捉(とら)われず、目に視えない物事にそこ、神様仏様の本来の導きがあると解釈する。

導きの祭神でもある八咫烏(ヤタガラス)に準(なぞら)えたのかも知れない。

八咫烏(ヤタガラス)は、第1代天皇の神武天皇(じんむてんのう)を大和国(奈良県)まで道案内して、山の麓(ふもと)に倭国(日本)の京を定め、即(すなわ)ち〈やま〉のふも〈と〉で大和(やまと)とした。

八咫烏(ヤタガラス)こと賀茂建角身命(カモタケツヌミノミコト)は、大和国(奈良県)の宇陀(うだ)の八咫烏神社(やたがらすじんじゃ)の祭祀と山城国(京都府)の上賀茂神社と下鴨神社の祭祀となり、賀茂氏の祖と葛城国造(かずらきのくにのみやつこ)の祖と言われ、3本脚の烏(カラス)で3本は天・地・人を表し、日本サッカー協会のマークにも採用されている。

この様に暗闇では、その存在ですら確認できない烏(カラス)。

目に映る物事だけで判断して、見た目ばかり気にする現代人は、人生の方向性に気を付けた方が良い。

こうして華叟宗曇(かそうそうどん/僧侶)の元での修行を終えた一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、独立して1人前の僧侶としての仏道を歩む事になる。

ELECTRIC ENEMY /♪ TAKE THE WHEEL

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:58:19

◆◇◆其の十一:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

悟りを開いて徳の高い僧侶となった一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、その僧位(そうい)とは反して奇行を繰り返す様になる。

正(まさ)に煩悩(ぼんのう)が袈裟(けさ)を着て歩いている様なものだった。

一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、仏教では禁忌(きんい)されているお酒やお肉も嗜(たしな)んでいた。

しかも女人禁制が強く残る仏門にも関わらず、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は遊郭に通い、時には男色の陰間(かげま)も物色していた。

仏心の微塵(みじん)も感じさせない。

ある時、京都の繁華街にある飲み屋にやって来た一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)。

一休さん…『おいっ、店主! 先(ま)ずは伏見の地酒と焼き鳥を5本ほど頼む。』

店主…『へぇ、へい。 でもお客さん、見たところお坊さんですが、仏教の戒律(かいりつ)で禁止されているお酒とお肉を食べていいのですか?』

一休さん…『いいんだよぉ! 戒律(かいりつ)なんて、気にしない〜 気にしない〜 気にしない〜』

店主…『はぁ、はあ。 では、早速にご用意します。』

こうしてお酒をガブ飲みして、お肉をガツガツ食べる一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、瞬く間に京都市中の有名人となった。

臨済宗(りんざいしゅう)の傾奇者(かぶきもの/異端者)と呼ばれた一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)である。

ただし、やはりそこは徳を積んだ一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)で、臨済宗(りんざいしゅう)の寺院からは慕(した)われていた。

しかも他の宗派の僧侶からも崇拝され、特に20歳ほど年下の浄土真宗(じょうどしんしゅう)の僧侶である蓮如(れんにょ/僧侶)とは仲が良かったと言う。

蓮如(れんにょ/僧侶)とは、室町時代の1471年に越前国(福井県)で浄土真宗(じょうどしんしゅう)を広め、後々の一向一揆(いっこういっき)を形成させた。

臨済宗(りんざいしゅう)の住職に空席ができた時には、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)が呼ばれて住職に就任する事も多かった。

ところが、そこは傾奇者(かぶきもの/異端者)の一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)である。

お寺をほっぽり出して、飲み屋を渡り歩いていた。

一休さん…『ウィ〜 お酒は上手いし、女は極上だしぃ、あぁ〜 極楽、極楽じゃ〜』

そんな一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)を見る京都の町人は・・・

町人A…『あの人は本当に徳の高い偉いお坊さんなのか?』

町人B…『う〜〜ん、ただなぁ〜 なんか本来の人間らしく生きている感じがするよなぁ〜 一休さんに共感するところもあるのは事実だ。』

実は仏道の境地に達した一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、見掛けや建前だらけの仏教への警告を鳴らす為に傾奇者(かぶきもの/異端者)を演じていたと言う。

この地球上で、優等生だけが本当に神様仏様に気に入られる人間なのか疑問を呈(てい)していた。

いつの時代も実際、未熟な子供は手が掛かるが可愛いし憎めないが、何でもテキパキできる大人に手を差し伸べ様とは思わないのが心情でもある。

勝つ事や成功する事だけが美徳と思っているのは、この世で人間だけなのかも知れない。

それが極楽浄土(ごくらくじょうど)と言われる黄泉の国(よみのくに/天国)へ成仏できない現存する人間が、8割以上も居る事を暗示している。

FIGHT /♪ BLOWOUT IN THE RADIO ROOM

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 09:59:21

◆◇◆其の十二:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

ある日、京都の名門家の法要(ほうよう)に招待された一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、いつもの普段着の袈裟(けさ)を着て屋敷に出向いた。

ところが屋敷の門番が、その身なりを見て一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)を追い帰してしまう。

一休さん…『すみませんが、今日は此方(こちら)の法要(ほうよう)にお招きを受けて参りましたので、お屋敷の中に入れてもらえませんか?』

門番…『はあ〜!? お前みたいな貧乏坊主を呼んだ覚えは無いっ! さっさと帰れぇ!』

一休さん…『ほぉ、帰って良いのだなぁ!?』

門番…『あぁ、京都の名門家は貧乏坊主には用は無いっ! 帰れぇ、帰れぇ!』

こうして一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は屋敷から立ち去るのだが、僧正(そうじょう)しか着る事の許されない紫色の立派な法衣(ほうい)をまとい、再び屋敷に現れた。

一休さん…『すみませんが、今日は此方(こちら)の法要(ほうよう)にお招きを受けて参りましたので、お屋敷の中に入れてもらえませんか?』

門番…『はい、お待ちしておりました。 どうぞ、屋敷の中にお入り下さい。』

一休さん…『おやぁ、おかしいなぁ〜!? 先程は帰されたのに、今度はお屋敷の中に入れてもらえたぞぉ? どう言う事じゃ!?』

門番…『へぇ!?』

屋敷の門の騒動に気付いた家主が現れて、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)に事情を聞いた。

家主…『これはこれは和尚様、どうされました?』

一休さん…『どうもこうも無い! わしぃは一度、この門番に着ている袈裟(けさ)で判断されて追い帰されたのじゃ!』

家主…『ええっ!?』

一休さん…『しかし、この紫色の立派な法衣(ほうい)に着替えて来たら、今度はどうぞとばかりにお屋敷の中に入れてもらえた。』

家主…『はぁ〜 申し訳御座いませんでした。 門番にはよく言っておきます。』

一休さん…『この法要(ほうよう)も、わしぃ自身ではなく、この紫色の立派な法衣(ほうい)を招聘(しょうへい)しているのだから、この紫色の立派な法衣(ほうい)にお経を読んでもらったらええ!』

そう言って一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は紫色の立派な法衣(ほうい)を脱いで、仏壇の前に置いて帰ってしまった。

身なりで人を判断する洞察力や先見性の無い世の中を、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は見事に説破(せっぱ)したのである。

役職や権威だけで判断するお頭(つむ)の弱い大人達の多い事、多い事、これはいつの時代も変わらない。

WEEZER /♪ HASH PIPE

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 10:00:21

◆◇◆其の十三:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

近江国(滋賀県)の比叡山(ひえいざん)にある天台宗(てんだいしゅう)の総本山の延暦寺(えんりゃくじ)は、平安時代に中国大陸の唐(とう)から伝来した日本での仏教の祖と言われ、宗祖は伝教大師(でんぎょうだいし)こと最澄(さいちょう/天台宗)である。

そんな歴史ある延暦寺(えんりゃくじ)には、仏教聖典を総集した一切経(いっさいきょう)や大蔵経(だいぞうきょう)などの経典が大切に保管されている。

書物の経典は虫食いする為に、夏の暑い日に天日干しして害虫駆除を実施している。

そんな有難い書物の経典に当たった風でも御利益があるとして、その日は大勢の参拝客が比叡山(ひえいざん)に登頂して延暦寺(えんりゃくじ)に訪れる。

臨済宗(りんざいしゅう)の僧侶だった一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)ではあるが、この頃は有名人だった為に天台宗(てんだいしゅう)の僧侶とも友好関係を築いていた。

そして、比叡山(ひえいざん)で書物の経典を天日干ししている時に、偶々(たまたま)に延暦寺(えんりゃくじ)に訪れていた一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、夏の暑さにより登山の途中で木陰で一休みする事とした。

参道の途中の木の元で裸同然の姿で寝ている僧侶は、誰の目から見ても異質である。

グゥ〜 グゥ〜 グゥ〜 グゥ〜

参拝者…『なぁに、あのお坊さん? あんな格好でお昼寝なんかして、お稲荷さん(玉袋)が見えてるじゃない、不謹慎ねぇ〜!』

プゥ〜〜

参拝者…『うわぁ、屁(へぇ)こきよった! 風に乗って臭いが来たわぁ! クッサァ〜』

この状況に困り果てた天台宗(てんだいしゅう)の僧侶は、徳の高い偉い一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)であっても注意を促した。

天台宗の僧侶…『もしもし一休殿、お休みのところ申し訳ありませんが、ここはお寺の参道になり多くの参拝者が通るので、この様な格好で昼寝されますと、天台宗(てんだいしゅう)としても見過ごせません。』

一休さん…『うん!? なになに? わしぃがここで昼寝をするのは邪魔と申すか!?』

天台宗の僧侶…『いやぁいやぁ、邪魔とは申しておりません。 御坊(ごぼう)を用意致しますので、そちらでお休み下さい。』

一休さん…『天台宗(てんだいしゅう)の経典は、真昼間に堂々と公衆の面前(めんぜん)で虫干ししておるのに、この一休は、お経も読めば、有難い説法(せっぽう)も説く、悟りも広める事が出来るのに、公衆の面前(めんぜん)には出せないと申すのだな。』

天台宗の僧侶…『なんかよく解らない、ややこしい方向に持っていっておるぞぉ。』

一休さん…『天台宗(てんだいしゅう)が大切にしておる経典は単なる書物であって、臨済宗(りんざいしゅう)の一休は生身の人間であり、それでいて仏教をこの世に浸透させてきた。』

天台宗の僧侶…『どう言う事なのじゃ?』

一休さん…『天台宗(てんだいしゅう)の僧侶は、書物に記した一切経(いっさいきょう)や大蔵経(だいぞうきょう)などの経典を読む事しか出来ぬから仏教が衰退しておるのじゃ! 仏道は僧侶自身の身体で読み解くものじゃ! 喝(かつ)!!』

天台宗の僧侶…『うわぁ〜 御見逸(おみそ)れ致しました。』

一休さん…『この一休も一切経(いっさいきょう)や大蔵経(だいぞうきょう)などの経典の様なもの、だからここで虫干しをしておるのじゃ! まあ、いいやぁ、今日は暑いから喉が渇いた。 よく冷えた伏見の冷酒に、茄子(ナス)と胡瓜(キュウリ)の漬け物を用意してくれ。 1杯やりながら仏道について語り合おうじゃないか。』

この様にして臨済宗(りんざいしゅう)の一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、天台宗(てんだいしゅう)の僧侶と親交を深めていったのである。

RUSH /♪ ANIMATE

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 10:01:23

◆◇◆其の十四:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

ある年明けの元旦、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は長い杖(つえ)の先に髑髏(しゃれこうべ/ガイコツ)を括(くく)り付けて、京都市中を歩き回った。

一休さん…『御用心、御用心、あぁ〜 新年早々に御用心、御用心!』

それを見た町人は一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)に注意を促した。

町人…『一休さん、新年のめでたい時に、人間の髑髏(しゃれこうべ/ガイコツ)を見せびらかして不謹慎ですぞぉ!』

一休さん…『門松は冥土の旅の一里塚(いちりづか)、めでたくもあり、めでたくもなし。』⦅正月の門松は、めでたいものとされているが、門松を飾るたびに1つずつ年を取り死に近付くので、死への旅の一里塚(いちりづか/3.9km)のようなものだ。⦆

町人…『一休さん、どう言う事ですか?』

一休さん…『新しい年を迎える事は、寿命に少し近付いた事でもある。 毎年の様におめでとうと言っておるが、何も為(せ)ずにボッ〜としておると、直(す)ぐにこの様な髑髏(しゃれこうべ/ガイコツ)になるのだぞぉ! 日々、精進して、お正月こそ御用心しなさい!』

町人…『はっはぁ〜 有難き御言葉を頂戴致しました。』

一休さん…『有漏路(うろぢ)より、無漏路(むろぢ)へ帰る、一休み。 雨ふらば降れ、風ふかば吹け。』⦅雨に濡れて急いで帰るよりも、雨が止むまでゆっくり一休みしてから帰れば良い。 人の生涯も全く同じで、雨が降っても、風が吹いても、何も急ぐ必要は無い。⦆

有漏路(うろぢ)とは、煩悩(ぼんのう)の多い苦しみの世界で、現生を表す。

無漏路(むろぢ)とは、煩悩(ぼんのう)の無い悟りの世界で、来世を表す。

悟りの境地とは、現生と来世の間みたいな空間で、ほんの一休みに似ている。

ほんの一休みなら、どんな苦しみでも気にする事は無い。

人の死が御不幸などと呼び、末永く生きる事が美徳と思う人間こそ、大宇宙の真理に反した思考である。

そんなに死ぬ事を否定するのは、そもそも極楽浄土(ごくらくじょうど)と呼ばれる黄泉の国(よみのくに/天国)を遠ざけている表意であり、来世を築き導く神様仏様への反抗心の表れでもある。

“人生100年時代”とか“輝く命”などと宣(のたま)う者と、その身近な者達は、紛れもなく成仏できない人種と捉えてよい。

そんなに死ぬのが嫌なら、黄泉の国(よみのくに/天国)に来なくてよいとの天界の姿勢である。

その様な種族は、地獄(じごく/下界)に引き摺(ず)り堕(お)とされるかも知れないと、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は教えてくれている。

KASABIAN /♪ ME PLUS ONE

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 10:02:16

◆◇◆其の十五:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

臨済宗(りんざいしゅう)の傾奇者(かぶきもの/異端者)と呼ばれた一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、宗派を超えて交友を深めて広い人脈を築きました。

その1人が20歳ほど年下の浄土真宗(じょうどしんしゅう)の僧侶である蓮如(れんにょ/僧侶)です。

ある日、京都で一二(いちに)を争う程の商家の大富豪が、馬好きが講じて伏見の淀に競馬場(京都競馬場)を造営したり、繁華街の木屋町(きやまち)に桜鍋(さくらなべ/馬肉)の専門料理屋を開業したりしていた。

そんな大好きな馬の大富豪が、有名な絵師に頼んで畳2枚分ほどの馬の絵を描いてもらった。

完成した馬の絵を観て大喜びの大富豪は自邸の屋敷に飾り、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)を招待して鑑賞してもらった。

大富豪…『どうです、この見事な馬の絵は? 今にも走り出しそうな躍動感が伝わるでしょう!』

一休さん…『馬じゃげな(馬だよね)。』

大富豪…『えっ!?』

一休さん…『だから、この絵に描いてあるのは、馬じゃげな(馬だよね)。』

大富豪…『あっ、当たり前じゃ! この馬が犬や猫に観えるかぁ!!』

この感想を聞いた大富豪は激怒して、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)を屋敷から追い帰した。

心の憤懣(ふんまん)が治(おさま)らない大富豪は、今度は蓮如(れんにょ/僧侶)を招待して鑑賞してもらった。

大富豪…『どうです、この見事な馬の絵は? 今にも走り出しそうな躍動感が伝わるでしょう!』

蓮如…『一休さんの言った通りで、そうじゃげな(そうだよね)。』

大富豪…『えっ!?』

蓮如…『だから、この絵に描いてあるのは、単なる絵の馬であって、本物(ホンモノ)の見事な馬ではないと一休さんが言った通りに、そうじゃげな(そうだよね)。』

人間がどんなに手の込んだ物事を拵(こしら)えても、地球上の自然界が生み出す物事に勝る事は、無い!

たとえ、どんなに巨大な木造物を建造しても、大自然の森林や山脈を観て感動した方が、余程(よほど)に素晴らしいと、臨済宗(りんざいしゅう)の一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)と浄土真宗(じょうどしんしゅう)の蓮如(れんにょ/僧侶)は500年余り前に諭(さと)している。

ある時、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、蓮如(れんにょ/僧侶)が著者となる書物を読んでいた。

その書物の内容は、極楽浄土(ごくらくじょうど)の教主でもある阿弥陀如来(あみだにょらい)や、医学の仏様の医王善逝(いおうぜんぜい)と呼ばれる薬師如来(やくしにょらい)について書かれている。

その一説に目が止まる。

⦅阿弥陀如来(あみだにょらい)は、全ての人々へ平等に慈悲(じひ)を持たれている。 仏教を信仰して、素直な気持ちと真面目な人生を歩む事で、極楽浄土(ごくらくじょうど)に迎え入れてもらえる。⦆

その後、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)と蓮如(れんにょ/僧侶)は顔を会わす機会があった。

そこで禅問答を始めた。

一休さん…『什麼生(そもさん)!』⦅如何(いか)に?⦆

蓮如…『説破(せっぱ)!』⦅議論して相手を打ち負かします。⦆

一休さん…『蓮如殿は、阿弥陀如来(あみだにょらい)は平等の慈悲(じひ)で人々をお救いになると、書物に記していたが、仏様の力を借りて他力信仰するたのむ衆生(しゅじょう)が救われて、仏様をはじめとした仏教を信じない無宗教のたのまない衆生(しゅじょう)を救わなければ、これ平等とは言わず差別と言うのではないか?』

蓮如…『阿弥陀如来(あみだにょらい)には、隔(へだ)つる心は無けれども、蓋(ふた)ある水に月は宿らじ。』

一休さん…『お見事である!』

蓮如…『月は、海にも影を宿(写)す、池にも影を宿(写)す、桶(おけ)の水にも影を宿(写)す、田んぼの水面にも影(写)を宿す。 大きな海でも、小さな池でも、澄(す)んだ桶(おけ)でも、濁(にご)った田んぼでも、月は平等に影を宿(写)す。 月と同じで阿弥陀如来(あみだにょらい)には、善人だから、悪人だからと、それで差別する心は無く、平等のお慈悲(じひ)で接してくれます。 ただ、月も蓋(ふた)をする物には影を宿(写)す事が出来ない。 これは月が不平等ではなく、蓋(ふた)をする物に問題がある。 阿弥陀如来(あみだにょらい)のお慈悲(じひ)を、最初から蓋(ふた)で心を閉じれば、いくら仏様も助ける事は出来ませぬ。』

大宇宙に宿る神様も仏様も、目に見(写)えない物事を一切に信じない感性は、それも衆生(しゅじょう)の一種である。

ただ、生涯を終える時にだけ神仏を頼るのは、その己(おのれ)の人生を最初から否定する事になる。

ならば最後まで神仏を信じない姿勢の方が、一貫して潔(いさぎ)よいし、最後の足掻(あが)きをする者と違い見苦しくない。

EXPANDING MAN /♪ DISAPPEAR

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 10:03:12

◆◇◆其の十六:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

京都は東山の奥地にて、1483年に浄土真宗(じょうどしんしゅう)の総本山として建立(こんりゅう)された山科本願寺(やましなほんがんじ/浄土真宗)の建築途中の話しである。

多くの建築作業員が働いている建設現場に、1人の小汚い袈裟(けさ)を着た貧乏坊主がやって来た。

その貧乏坊主は、建設現場の中に立つ木の枝に登り、山科本願寺(やましなほんがんじ/浄土真宗)の建築風景を眺めている。

しかも、頭の上には草の冠(かんむり)を乗せている。

建築作業員としては邪魔な貧乏坊主の為に、建設現場から追い出すように浄土真宗(じょうどしんしゅう)の僧侶にお願いした。

浄土真宗の僧侶…『すみませぇ〜ん! 木の上に登っているお坊さぁ〜ん! 建設現場に入られると危険ですので、外に出て行ってもらえますかぁ〜!』

一休さん…『エッヘヘへ〜』

浄土真宗の僧侶…『うわぁ、なんかぁ笑(わろ)うてるわぁ。 頭に草の冠(かんむり)も乗ってるしぃ、ヤバいでぇ〜』

埒(らち)が明かない浄土真宗(じょうどしんしゅう)の僧侶は、住職の蓮如(れんにょ/僧侶)に木の上に登る貧乏坊主の事を報告した。

浄土真宗の僧侶…『和尚様、お寺の建設現場に、木の上に登る草の冠(かんむり)を乗せた貧乏坊主が居て困っています。 出て行く様に何度も言っても、ニヤニヤ笑ってヤバい奴ですよぉ!』

蓮如…『うん!? 木の上に登る草の冠(かんむり)を乗せた貧乏坊主!? それは一休さんに違いない。 そのお坊さんにお茶を1杯、差し上げたら帰るであろう。』

浄土真宗の僧侶…『えっ!? お茶を出すのですか?』

山科本願寺(やましなほんがんじ/浄土真宗)の住職の蓮如(れんにょ/僧侶)に言われるまま、浄土真宗(じょうどしんしゅう)の僧侶は木の上に登る貧乏坊主にお茶を差し出した。

一休さん…『あっ、これは気が利きますねぇ〜 どうも有難う。』

木の上に登る貧乏坊主は降りて来て、お茶を1杯、飲んだら帰っていった。

浄土真宗の僧侶…『和尚様の言う通り、貧乏坊主はお茶を飲んだら帰って行きました。 どう言う事でしょうか?』

蓮如…『木の上に人が立っておるだろう。 草の冠(かんむり)を頭に乗せていれば、“茶”と言う漢字になるだろう。』

浄土真宗の僧侶…『草の冠(かんむり)に人が木に登れば“茶”かぁ! 今日も1つ、賢くなりました。』

ある日、山科本願寺(やましなほんがんじ/浄土真宗)の境内で、日向(ひなた)ぼっこをする一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)と蓮如(れんにょ/僧侶)が雑談をしていた。

そんな時に一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)の腕に、1羽の小鳥が止まり、そこから動かなかった。

小鳥を見つめた2人は禅問答を始めた。

一休さん…『什麼生(そもさん)!』⦅如何(いか)に?⦆

蓮如…『説破(せっぱ)!』⦅議論して相手を打ち負かします。⦆

一休さん…『蓮如殿よぉ、この全く動かない小鳥は、死んでおるのか、生きておるのか?』

蓮如…『う〜〜ん! 答えはこれです。』

そう言うと蓮如(れんにょ/僧侶)は御堂(おどう)の階段の途中で片足を置いて、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)に質問する。

蓮如…『一休さん、これからわしぃは、階段を昇るでしょうか、それとも降りるでしょうか?』

一休さん…『お見事である!』

蓮如…『答えは、わしぃが生きていると答えれば、一休さんは小鳥を握り潰して殺生(せっしょう)するし、死んでいると答えれば、一休さんはそのまま逃して小鳥は飛んで行くでしょう。 要は答えは何方(どちら)にも変えれて、質問者の思いのままです。』

一休さん…『時の権力者とて同じ事ですぞぉ! 自分達の正当性を誇示(こじ)する為に、都合の良い解釈(かいしゃく)にコロコロ変えよるわぁい!』

チュンチュン チュンチュン

バタバタ バタバタ

蓮如…『あっ! 小鳥が大空に飛んで行きましたなぁ〜』

一休さん…『厳しい自然の中でも、小鳥は自由に羽ばたくものだ! 人間もそう有りたいものだなぁ。』

NADA SURF /♪ POPULAR

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 10:04:06

◆◇◆其の十七:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

京都の京街道沿いに1本の曲がった松があった。

その曲がった松の根元には、立て札が立てられている。

⦅この曲がった松を真っ直ぐに見える者には、金で1貫文(約2万5千円)を与える。 酬恩庵の一休より⦆

京街道を行き来する町人で、曲がった松の下にはいつも人集(ひとだか)りが出来ていた。

そこに法要(ほうよう)から山科本願寺(やましなほんがんじ/浄土真宗)に帰る途中の蓮如(れんにょ/僧侶)が通り掛かる。

付き人の僧侶が、曲がった松の根元に立つ立て札を黙読して、蓮如(れんにょ/僧侶)に伝えた。

浄土真宗の僧侶…『さすがの和尚様も、あの曲がった松を真っ直ぐに見る事は出来ないでしょう。』

蓮如…『いや、今から一休さんの酬恩庵(しゅうおんあん/京田辺)に行って、金の1貫文(約2万5千円)を貰うとするか。』

浄土真宗の僧侶…『えっ!? 和尚様は、あの曲がった松を真っ直ぐに見えたのですか?』

山城国(京都府)の南部にある酬恩庵(しゅうおんあん/京田辺)に来訪した蓮如(れんにょ/僧侶)は、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)と対面した。

蓮如…『わしぃは曲がった松を真っ直ぐに見たので、金の1貫文(約2万5千円)を頂けますかなぁ。』

一休さん…『いやいや、蓮如殿は駄目(ダメ)で御座るよ。 あの立て札の裏面までシッカリと読みましたかなぁ?』

蓮如…『立て札の裏面?』

再び蓮如(れんにょ/僧侶)は京街道を上り、曲がった松の根元に立つ立て札の裏目を見てみた。

⦅但(ただ)し、本願寺の蓮如は除外する。⦆

蓮如…『アッハハハハ〜 一休さんめぇ、わしぃの事をよく存知(ぞんじ)ておるわぁ!』

浄土真宗の僧侶…『和尚様、この曲がった松を、どうやって真っ直ぐに見たのですか?』

蓮如…『其方(そなた)方は、金の1貫文(約2万5千円)が欲しさに邪(よこしま)な心で曲がった松をどうにかこうにか真っ直ぐに見ようとするじゃろ。 わしぃは曲がった松を見て、その姿そのまま曲がった松だなと真っ直ぐな心で見たまでよぉ。 人間の欲深さを一休さんは皮肉っておるのじゃ!』

浄土真宗の僧侶…『御見逸(おみそ)れしました。』

ある日、京都の三条で商店を営む大富豪で、臨済宗(りんざいしゅう)の檀家(だんか)でもある利兵衛(りへい)が、酬恩庵(しゅうおんあん/京田辺)の一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)の元に訪れた。

そして、お茶を嗜(たしな)みながらの雑談で、利兵衛(りへい)がこう切り出した。

利兵衛…『この間、浄土真宗(じょうどしんしゅう)を信仰する知人が、仏教を信仰すれば無条件で衆生(しゅじょう)は皆(みな)平等に極楽浄土(ごくらくじょうど)に行けると言っておったが、一休さん、それは誠(まこと)の事か?』

一休さん…『誰が、そんな戯(たわ)けた事を吐(ぬ)かしておるのじゃ。』

利兵衛…『はあ、知人は山科本願寺(やましなほんがんじ/浄土真宗)の蓮如僧正(れんにょそうじょう)の説法で聞いてきたと申しておったわぁ。』

一休さん…『なるほど、蓮如殿が言いそうな事だわぁい。 ただなぁ、それは仏道の念仏あっての話しじゃ! 念仏を称(とな)える者が救われる。』

利兵衛…『ほぉ、念仏を称(とな)えれば、たとえこの世で悪事を働いたとしても、仏様に救われるのか?』

一休さん…『そうじゃ、悪事を働いたとしても、その日から改心して真面目になり、毎朝、仏壇に念仏を三辺(さんべん)ほど称(とな)えれば、仏様も認めてくれるじゃろ。』

利兵衛…『なる程、毎朝、仏壇に念仏を三辺(さんべん)ほど称(とな)えれば、来世は極楽浄土(ごくらくじょうど)に行けるのかぁ!』

一休さん…『利兵衛殿、悪(あく)どい商売も程々(ほどほど)にして、仏道に身を置き精進する事も大切であるぞぉ。』

こうして、その日から利兵衛(りへい)は毎朝、仏壇に念仏を三辺(さんべん)ほど欠かさずに称(とな)えた。

それから数年が過ぎたある日、京都の三条一帯で大火事が起こり、利兵衛(りへい)の商店も全焼してしまった。

その日は、大火事の対応に追われて、利兵衛(りへい)は毎日に欠かさずに称(とな)えていた念仏を忘れていた。

其処(そこ)へ災害見舞いに来た一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)が現れた。

一休さん…『この度(たび)は、えらい災難だったなぁ〜』

利兵衛…『はあ、毎朝、仏壇に念仏を三辺(さんべん)ほど称(とな)えていたのに、ご覧の有り様です。 神様も仏様も助けてくれませんでした。』

一休さん…『ところで、今朝は仏壇に念仏を三辺(さんべん)ほど称(とな)えたのか?』

利兵衛…『えっ!? 今朝!? 三条一帯の大火事で、それどころではありませんよぉ!』

一休さん…『念仏を火事で忘れる様なら、地震が起きても忘れるし、病気に罹(かか)っても忘れるだろうなぁ〜 ならば毎日に欠かさず念仏を称(とな)えるよりも、生涯を通してみれば忘れる方が多いのではないか?』

利兵衛…『そんなぁ〜 殺生(せっしょう)なぁ〜』

一休さん…『臨済宗(りんざいしゅう)であろうと、浄土真宗(じょうどしんしゅう)であろうと、たった一時(ひととき)の生涯で、仏道を忘れる様なら、それは仏教の信仰とは言えんわぁな。 お金儲けに走るインチキな新興宗教にでも改宗(かいしゅう)した方が良いなぁ〜』

HOOBASTANK /♪ LUCKY

◆ラジオの友◆

Re: 今日の1枚、お薦めレコード/20250413 - ラジオの友 URL

2025/04/13 (Sun) 10:05:01

◆◇◆其の十八:わたしの愛した歴史人(れきしびと)/一休さんこと一休宗純◆◇◆

高年期の一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、1456年の63歳の頃に荒廃した妙勝寺(みょうしょうじ/臨済宗)の再建に尽力して、そのお寺を酬恩庵(しゅうおんあん/京田辺)と名付けた。

この酬恩庵(しゅうおんあん/京田辺)を終の棲家(ついのすみか)として、後世には一休寺(いっきゅうじ)と呼ばれた。

1467年〜1477年には京都市中を焼け野原にした「応仁の乱」(おうにんのらん)が起こり、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)の馴染み深い安国寺(あんこくじ/臨済宗)と大徳寺(だいとくじ/臨済宗)も焼失してしまう。

室町幕府が保護した上格の5寺の五山(ござん)と10寺の十刹(じっせつ)の五山十刹(ござんじっせつ)もほとんど焼失した。

この数多くの焼失した寺院の復興に、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は注力した。

「応仁の乱」(おうにんのらん)の最中(さなか)でもある1470年の77歳の頃に、現役バリバリの一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は、まだ20代くらいの盲目の琵琶法師(びわほうし)の森女(しんじょ)に一目惚れして、愛の告白をして酬恩庵(しゅうおんあん/京田辺)にて同棲(どうせい)を始める。

一休さん…『よぉ、そこのベッピンの姉ちゃん、僕と一緒に暮らさない?』

森女…『えっ、あぁ〜 でも、あなたのお年はお幾(いく)つなんですか?』

一休さん…『あっ、僕の年齢? 30歳になったばっかしよぉ! 絶倫(ぜつりん)の三十路(みそじ)ってところかなぁ!』

森女…『30歳!? 何か懐かしいお爺ちゃんの香りがしますが?』

一休さん…『匂いなんてぇ、気にするなってぇ! 若さ弾ける男女なんだから、毎晩、楽しもうぜぇ!』

森女…『あっ、はぁ〜い〜 こんなんで、いいのかなぁ〜?』

一休さん…『細かい事は、気にしない〜 気にしない〜 気にしない〜』

「応仁の乱」(おうにんのらん)が落ち着いてきた1475年の頃に、第103代天皇の後土御門天皇(ごつちみかどてんのう/朝廷→東軍)の勅命(ちょくめい)により、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)は大徳寺(だいとくじ/臨済宗)の住職に就任した。

そして1481年の88歳で、一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)はマラリアを発症して、酬恩庵(しゅうおんあん/京田辺)にて永き人生の幕を閉じる。

その傍(かたわら)には、最愛の女性でもある森女(しんじょ)と仏門の弟子達が看取(みと)っていた。

森女…『あなたぁ、最後に言い残した言葉はないのぉ?』

一休さん…『死にとぉない。』

ガクッ

これが日本で一番に有名なお坊さんの一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん/僧侶)の最期(さいご)の言葉である。

MOTT THE HOOPLE /♪ Hymn For The Dudes

◆ラジオの友◆

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